メニュー
SaaSpresto株式会社はWhistleBの国内総販売代理店です

国内における内部通報制度の活性化・効率化を推進。内部通報管理ツール導入のすすめ

弁護士法人直法律事務所
代表弁護士
澤田 直彦 先生

慶應義塾大学法科大学院を卒業後、赤坂シティ法律事務所に入所、同法律事務所にてパートナーを務める。2018年に弁護士法人直法律事務所を設立、代表弁護士に就任。同法律事務所においては、法人向け・個人向けに幅広く法的サービスを提供している。
[主要な取扱分野]
IPO支援サービス、企業法務・ベンチャー法務、プラットフォームビジネス・クラウドビジネス・SaaSビジネス法務、IT法務、不動産法務、相続・事業承継法務、等

目次

内部通報は企業の敵?味方?

内部通報制度とは、企業など組織の違法行為や不正などを、組織内部(または組織が設置する第三者窓口)に通報することを目的とした制度です。

内部通報というと、企業の敵!のようなイメージがあるかもしれません。しかし、組織内の違法行為や不正を放置した場合、後から違反が発覚して企業責任を問われてしまうことがあります。また、莫大な損害賠償請求を受け、消費者など取引先の信頼を失うこともあります。そのため、できるかぎり早く組織の中の違法行為や不正を発見し、対処することが、事業を継続していく上で重要です。

内部通報を適切に整備し、運用していけば、早期の違法行為等の発見に大きな役割を果たす味方となります。私自身、企業の内部通報担当者とやり取りをしている中、「事前に不正の芽を摘み取れなければ、世間を騒がせる重大なインシデントに繋がっていたであろう場面」に何度か遭遇し、内部通報制度が機能していることに安堵することが多くありました。

このように、企業に自浄作用を生み出す内部通報体制の整備は、とても重要なことなのです。

令和4年6月に施行された改正公益通報者保護法では、常時使用する労働者数が300名を超える事業者に、内部公益通報に対応する体制を整備する義務が課され、法律上の義務となりました。労働者数が300名以下の事業者については努力義務とされていますが、内部通報体制の整備により、株主や消費者等の取引先の信用にもつながり、事業拡大に役立つため、内部通報体制をできる限り早く整えていこうという企業も多いです。

では、内部通報体制を整備したいと考えた時に、何に注意したらよいのでしょうか。ポイントとして挙げられるのは次の2点です。

  • 通報者に通報を躊躇させない体制であること
  • 使いやすい(効率的かつ機動的な)体制であること

通報者を躊躇させない体制を作る!

せっかく内部通報体制を構築しても、通報者が通報を躊躇するような体制では意味がありません。通報者は、通報者が誰であるか特定されて報復されるのではないかという不安を抱えていることが多いのです。そのような不安を払拭するような体制を作る必要があります。

そのためには、どの人材・部門を窓口とするかという点で、注意が必要です。人事部門に窓口を設置した場合、通報によって人事評価への影響をおそれて通報者が通報を躊躇してしまうかもしれません。また、組織の長や幹部などに近い人物や部署が窓口になる場合、組織の長や幹部に関する通報をすれば、後で不利益を受けるのではないかと恐れて通報を躊躇するでしょう。さらに、外部窓口であっても、顧問弁護士を窓口にする場合は同様に躊躇する者がいると考えられます。そこで、組織の長や幹部、そして人事評価をする者などから独立して業務にあたることができる体制が望ましいです。

また、通報への不安を払拭するためには、専用の窓口があることがとても大事です。メールや電話だけが窓口である場合、通報者は特定されないか不安になります。しかし、メールアドレスや電話番号などを必要としない内部通報受付/管理ツールなどを利用した場合には、匿名性が確保できるため、通報者の不安や躊躇を小さくすることができます。このように、通報者の不安や躊躇を取り除く手段を採ることで、より効果的な内部通報体制を築くことができます。実際に「匿名通報の体制を整えることにより通報数が増えた」という事例も多々耳にします。

また、内部通報を機能させるためには、通報者の保護は不可欠です。通報者の保護は、公益通報者保護法でも義務付けられています。通報者の保護のためには、通報者や通報事案に関する記録や資料にアクセスできる者を明確にし、必要最小限に限定するなどの対応が必要です。通常業務と同じ業務報告ルートを利用したのでは、情報管理体制として不十分であり、また、迅速な解決は困難です。そこで、専用の特別ルートを確保するのが望ましいです。

使いやすい体制を作る!

内部通報の窓口は、内部通報を受けたあと、迅速かつ適切に対処することが求められます。不安な気持ちで通報してくる通報者に対して、安心感を与えつつ、組織内で秘密裏に、適切な解決に向けて事案に応じたチームを構築し、事案に対処する必要があるのです。調査や是正措置を検討していく場合や、即座に弁護士などの専門家に相談が必要な場合もあるでしょう。事案毎にチームとなるべき人材は異なり、対処方法も千差万別です。

内部通報の担当者は、必要最小限の人数で、事案毎にそれぞれ進捗状況等を管理し、アクセスを制御していくという高度かつ煩雑な業務をこなす必要があります。通常の業務と並行して内部通報の担当をしている場合には、なおさら混乱が生じる可能性があります。しかし、このような業務が可能な優秀な人材が、内部通報対応に忙殺されてしまうのは、企業にとって望ましいことではありません。

そこで、業務を整理整頓してスムーズにこなすことができる管理ツールやシステムを構築していくことが重要だと考えています。もちろん、万全なセキュリティを前提としたそのような管理ツールやシステムを企業が独自に整えていくのは大変な作業ですから、「外部の内部通報管理ツールなどを利用する」という選択肢も検討してもよいのではないでしょうか。

私も企業の内部通報担当者とやり取りをしている中、担当者が非常に優秀であるにもかかわらず、「表計算ソフトでの内部通報管理が非常に手間を取ることが多く、困っている」といった声をきくことがあります。事業運営に注力するためにも、より少ない労力で効率的かつ効果的な内部通報体制を整えることが大切です。

内部通報体制の整備は、窓口を設けて終わりではありません。不安を抱えながらも通報してくれた通報者の不安を払拭し、誠実かつ適切に企業内部の問題解決に向けた対応ができるよう、通報者や担当者にとって使いやすい体制を構築し、事業活動の継続・拡大に役立てていただきたいです。

※本内容は2023年7月取材当時の情報です。
※内部通報管理ツールだけではなく、内部通報制度の構築支援・通報対応相談先をお探しの場合、
澤田先生を含む弁護士事務所のご紹介も可能です。

日本を含む150以上の国で実績がある、
内部通報管理ツール「WhistleB」
のサービス概要資料はこちら

以下のような課題をもつ企業におすすめです。

  • 通報数をベースとした従量課金によるコスト負担から脱却したい
  • セキュリティが担保されたツールの導入で、内部通報窓口を活性化させたい
  • 統計・分析等もしっかり行いたいが、シンプルで使いやすいツールが良い
  • グローバル子会社の内部通報管理を現地法人任せにせず、本社でしっかり把握・運用したい
目次